完成すれば世界最大の吊橋となる。また、ケーブルを支える主塔の高さは海面 上約300mの高さとなる。
設計にあたっては、厳しい自然条件にも充分に耐えられるよう、細心の注意と 工夫が凝らされている。風に対して道路面を直接支える補剛桁は、毎秒約80m の暴風に対しても安全が保たれている。また、地震に対してもマグニチュード 8.5クラスの激震にも耐えられる設計となっている。補剛桁を支えるケーブル は、直径5mmのピアノ線を約37,000本束ねて作った直径1.1mの平行線ケーブル を2本使用する。ケーブル1本に働く最大張力は約60,000トンに達する。
明石海峡大橋の建設に要する資材の量も、上部工に必要な鋼材が約200,000トン、 下部工に必要なコンクリートが約1,420,000m3と他に類を見ない規模となる。
明石海峡大橋が完成すると、既に供用中の大鳴門橋とあわせて神戸・鳴門ルー トが全通することになり、古くから密接な関係にあった阪神圏と四国東部が陸 路で直結されることとなる。これにより、神戸〜徳島間の輸送時間は現在の3 時間余り(大鳴門橋利用)が1時間40分に短縮され、風波・濃霧等の気象条件 に左右されない交通・輸送が可能となる。橋の完成により、阪神−淡路島−四 国東部が一体となった広域経済圏の形成に寄与し、この結果、各地域の特色を 活かした産業の活性化が可能となり、経済の発展が促進されることとなる。