■欧米との強い絆

関西は歴史的、地理的にアジアとの結び付きが強い一方、戦後は太平洋を隔て た北米やヨーロッパ、オセアニアとも貿易、投資、観光などを通じて連携が深 まっている。特に、大阪を中心とする関西は、第二次大戦前、日本の繊維産業 の中心であったことから、米国とは絹や木綿など繊維貿易で深い関係にあった。

17世紀からの永きにわたった鎖国がとかれ、1868年に神戸港が開港されると同 時に、神戸に居留地が設けられ、アメリカ始め各国の領事館が開設された。神 戸港から上海経由のヨーロッパ航路も開設され、以後欧米と関西との密接な関 係が続いている。

旧居留地に現在も残る多数の異人館や、市街地にある戦前のオフィス群は、当 時の熱気に溢れた神戸の面影をいまに伝えている。また、神戸では日本で初め て、映画が上映され、ジャズバンドが誕生するなど、日本人の生活の洋風化に 大きな影響を与えた。戦後、アメリカ文化は映画、音楽、文学などにおいて日 本人の生活文化のあらゆる面に大きな影響をあたえた。1950年兵庫県西宮市で 開催されたアメリカ博覧会は、ライフスタイル型の博覧会の始まりとなった。

国際化時代を反映して、関西各地から欧米の大学などに留学する日本人学生も 増える一方、欧米からも各種の交換プログラム等を通じて日本文化の揺籃の地、 関西で学ぶ学生の数も近年増加している。

関西には、大阪府、兵庫県、京都府に各約2,000人など、合計約8,000人の米国 人を初め、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパからの外国人が数多く居住し ており、都市生活の利便性と伝統文化、そして自然環境に溢れた関西を愛して いる人も多い。

長く日本人の生活の中に溶け込んで住み、そして日本語を流暢に話す欧米人が 驚くほど増加している。