■江戸時代の城下町

1615年、「大坂夏の陣」の戦いで豊臣氏は滅び、徳川家康が権力を掌握、江戸 幕府(東京)を開いた。明治維新までの260余年間を江戸時代と呼び、全国の 約4分の1の幕府直轄地を除いて、大名たちが全国に割拠し、各地で城下町がつ くられた。

代表的な城下町は紀州藩(和歌山市)で、1619年に家康の子である頼宣が入封 し、55万5000石を支配し幕末まで8代将軍吉宗、14代将軍家茂らを輩出した。

このほか、1600年の関ケ原の戦いの功績によって池田輝政が10年をかけて城の 拡張工事を行った姫路藩(兵庫県姫路市)や、石田三成によって築かれ、やは り関ケ原の戦い後、井伊直政が入封した彦根藩(滋賀県彦根市)がよく知られ ている。大坂、京都など関西の代表的な都市が幕府の直轄地として、城代や所 司代が置かれたのに対して、これらの都市はそれぞれに独自の文化を持つ城下 町として発展していった。