●紀淡連絡道路と伊勢湾口道路

現在の東京−名古屋−大阪−広島−福岡の大都市を結ぶ第一国土軸、および 計画策定中の日本海国土軸構想と平行して、伊勢湾口、紀淡海峡、豊予海 峡に、それぞれ海をまたぐ巨大橋、ないしはトンネルにより、中京−近畿 −四国−九州の東西800kmをドッキングさせようという第二国土軸(太平洋 新国土軸)構想がいよいよ実現に向けての大きな歩みを踏み出しつつある。

四全総総合的点検調査部会報告(1991年)に「地域の特色ある発展と一体感のも てる国土の形成に資するものであり、21世紀に向けた国土構造の形成に関す る新しいビジョンとして重要な意義がある」とうたわれており、夢の黒潮ル ートはにわかに現実味を帯びてきた。

関西にとって最も関係があるのは紀淡連絡道路で、海峡幅約10km、実現す れば、一気に四国まで渡ることができる。1983年から鉄道トンネルのための 地形・地質調査に着手、また建設省も道路橋として91年から調査を開始、93 年からは和歌山、兵庫両県も参画し、気象・地質等の調査を続けている。

伊勢湾口道路は、幅約20kmの湾の入り口を伊勢湾大橋(仮称)などの橋梁でま たぎ、三重県志摩半島と愛知県伊良湖岬をつなぐ。周辺はリアス式海岸の美 しい自然に恵まれており、リゾート開発への波及効果も期待されている。 1989年から建設省を中心に気象観測等の調査を実施中である。