●国際エメックスセンター(EMECS)

瀬戸内海は周囲を陸で囲まれ、海水の円滑な交換が阻害されるため、工場・生 活排水などで汚染されやすい。このような閉鎖性海域の環境を世界各国と協力 して保全することを目標に1994年11月、国際エメックスセンター(事務局・神 戸市)が設立された。

「エメックス」の語源は閉鎖性海域環境保全(EnvironmentalManagementof EnclosedCoastalSeas)の英語の頭文字から構成されている。

設立の母体は、1990年8月に42か国の学者らが参加して神戸市で開かれた第1回 世界閉鎖性海域環境保全会議であり、その後93年には米国ボルチモアで第二回 会議が開かれるなど国際ネットワークづくりの必要性が叫ばれていた。閉鎖性 海域は、瀬戸内海をはじめ欧州の地中海や北海、北米のチェサピーク湾などに もあり、環境保全と適正利用は世界共通の課題となっている。このため、国際 エメックスセンターは、国際会議の継続、パソコンを利用した情報交換、開発 途上国を対象とする研修会の開催、生態系などを紹介する図書の発行など積極 的な活動を推進している。