●琵琶湖総合開発事業

近畿1,400万人の水をまかなう琵琶湖は、面積約670km2のわが国最大の淡水湖 である。世界でも10ヵ所しか確認されていない古代湖の一つでもあり、淡水魚 や貝類の宝庫である。

増大する阪神地域の水需要に応えるため、国、水資源開発公団と滋賀県など地 元自治体は、1972年から琵琶湖総合開発特別措置法に基づき琵琶湖の自然環境 の保全と水質の回復を図りつつ、水資源の有効活用を図るための総合開発事業 を実施してきた。当初10年とされていたが事業期間が96年までの25年間に延長 され、下水道、工業用水道、し尿処理施設などの整備や、河川改修、造林、農 地改良などの事業に取り組んでおり、総事業費がほぼ2兆円という大事業とな っている。さらに、下流域の阪神地域においても、人口の増加や生活様式の変 化、産業活動の進展などによって水需要が増大しており、その水利用について は、上下流ともに節水の合理化、水質保全に努め、効率的な水利用対策を進め るため、関連各府県市で定期的に協議を行っている。